
珍しく砂漠に雨が降った日、湖都の海岸に一人の少女が打ち上げられる。
少女の名はエシャル。
記憶を失い、覚えているのは自分の名前だけだった――
1ヵ月後、エシャルは彼女を救った劇団「砂の薔薇」の一員として舞台に上がるようになっていた。
まだまだ新米である彼女の憧れは、一座の看板女優にして歌姫のシャディア。
普段はぐーたらだが、ひとたび舞台に上がれば本物の姫君のように輝き、月夜の晩には美しい声で、故郷の歌を歌うのだ――
「竜湖祭」に参加すべく砂漠を移動する砂の薔薇。
しかし道中で、盗賊団に襲われる。
盗賊の狙いはシャディアのようだ。
シャディアの危機を、鋭い矢の一撃が救う。その射手は伝説の義勇軍のひとり、ミシディアだった。